リアルに伝えるスマホゲームプランナーのお仕事

スマホゲームのゲームプランナー(ディレクター)とは


私自身、2年のブラウザゲームプランナーを経て
現在4年目のスマホゲームプランナー(兼ディレクター)をしている。
ゲームプランナーを目指す人達や、隣の席だけど何やってるか分かんないから知りたいという方へ、

実務経験を交えてお話ししたいと思う。

ご職業は?プランナー?すごいですね!
で、何してるの?

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これが一番質問されるし、一番説明がしにくい。

同窓会などで周りが自分のやってる仕事内容を、とても興味深く話すのに対し
プランナーの説明は本当に難しいと思う。
なぜなら、「何でもやってる」からだ。

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アプリを作るにはだいたいこんなチームで構成される。
プログラマー(呪文を操って夢を形にしてくれる人1)
・デザイナー(神の手で夢を形にしてくれる人2)
・技術(いつ寝てるか分からない人)
・マーケター(連絡は取れるが姿を見せない人)
・プロデューサ(神出鬼没)
・QA(一番仲良しになる人)
そして
・プランナーorディレクター*1

なんで何でもやってるの?

 

プランナーの仕事は、企画や立案などというイメージが強いが、実はチームのメンバー各々が力を十分に発揮できるようにハブを繋げていくのがメインとなる。

プログラマーが作ったイラスト出現のモーションが、デザイナー的にもうちょっと派手にして欲しかったら、直接デザイナーがプログラマーに意見するのではなく、プランナーを通していく。


理由は、一度プランナーを通すことであちこちから出る意見をまとめて伝えられるからだ。

同じように、マーケターが広告に使いたいイラストを新規で欲しい場合、これもプランナーを通してデザイナーへと連絡される。

そしてもうお気づきかと思うが、プロジェクトが大きければ大きいほと、プランナーへの仲介数は必然と多くなる。

 

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 そう、まるでいくつもの斜材を支える塔柱のように・・・

そうなると、あなたはどうしようと思うだろうか。おそらく、この仲介してくる意見を迅速に対応しようとするだろう。

すると例えば、デザイナーがプログラマーに意見した内容を、より的確に伝えるべくプログラム用語を交え伝達する。

マーケターが欲しいイラストが、単純に既存イラスト(集合体)の1つを望むなら
PSDファイルを開いて自分で切り取って伝達する。

QAが忙しくスケジュール遅延が起きるから、プログラマーから依頼されたバグ再現を
自身がビルドをインストールしてバグを再現させ情報をレポートしたりする。


こうやって四苦八苦している間に気づけば、何でもできてしまうのだ。

 

ゲームプランナーとは?

 

ここまで書くと、雑用をしたいんじゃない、ゲームが作りたいんだ!と思う人が多いと思う。確かに、実際に私がプランナーとして働いていて「作っている」感じを常に感じていることは少ない。

ただ、はっきり感じていることは、プランナーが一番そのゲームに詳しくなっているということだ。そして会社を出て、電車の中や人ごみの中で、そのゲームを遊んでいる人を見ると一番感慨深くなるのもプランナーであろう。

なぜなら上に書いたとおり、全ての仲介点であったため、全てのチーム(プログラマーやデザイナーなどなど)の苦悩・努力・想いを知ってるからだ。

そして、プランナーは他のチームよりも長く、そのゲームと寄り添う。
ゲームがリリースする前からもちろん動いているし、ゲームが惜しくもクローズした後
他チームが別ゲームへ移住していっても、プランナーは暫くそのゲームを見届けることになるだろう。

理由は、ゲーム終了後も、お客様からのお問い合わせの対応や、アプリゲームであるゆえAppleストアやGoogleストアの返金の関係上なのだが、本当に最後の最後まで見届けるのだ。
これはプランナーではないとできない体験だと思う。


プランナーにとって、何がゴールなのか?

 

プロデューサは過去最高のゲームを世に出す、デザイナーなら今までにないグラフィックを作る、プログラマーなら新しい技術を自身で作る、などなど目標があると思うが
プランナーは難しい。しかし、本当に、「より良い」ゲームを作りたいと思うなら、必ず一度はプランナーを経験してほしい。

 

1つのゲームを作り上げるのに、多くの人たちが関わっていること、
1つのコンテンツを入れ込むのに、多くのユーザーが反応してくれていること、
それを知っていれば、無理なスケジュールで開発したり
数日でゲームをクローズすることなんてないだろう。*2


ゲームアプリプランナーに少しでも興味がわきますように。

 

*1:スマホゲーム業界においては
だいたいがプランナーとディレクターはほぼ同じ業務か、兼ねているからである。

*2:完全に個人的恨みが入ってしまいました。失礼しました。